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【カーボンクレジットを学ぼう】第2章-2 身近な技術で減らして造るクレジット

第2章-2:身近な技術で減らして造るクレジット

カーボンクレジットを生み出すのは森だけではありません。人間が持つ「技術」や「工夫」からもたくさん生まれています。
特に工場やオフィス、交通の分野では、エネルギーを効率的に使う「省エネ」や、自然の力を活かす「再生可能エネルギー」がカギになります。

省エネは「見えない資源」

例えば、工場の古い重油ボイラーをガスの廃熱も使った省エネ型に入れ替えると、同じ量の製品をつくるのに必要な電気や燃料が減ります。その分、CO₂の排出も減り、削減した量はカーボンクレジットとして認められます。これは「省エネ=新しい資源」と考えることができます。 同じことは私たちの生活でも言えます。
蛍光灯をLEDに替えたり、家やビルの断熱性の高い窓を入れて冷暖房の効率を上げたりすると、電気代もCO₂も減ります。窓を入れ替えるのが難しければ、フィルムを張るだけでも効果があります。
このような小さな積み重ねが、国全体で見れば大きな削減につながります。



再生可能エネルギーの活用

太陽光や風力、水力、バイオマスなどの再生可能エネルギーもクレジットを生み出します。従来の火力発電は石炭や石油を燃やすのでCO₂を多く出しますが、再エネはほとんど出しません。つまり「火力発電を使った場合と比べてどれくらい減らせたか」がクレジットになるのです。 最近では工場や住宅の屋根に太陽光パネルを載せるだけでなく、地域全体で風力発電所といった再エネを導入し、その成果をクレジットとして生み出すような事例も世界を見渡すと出始めています。

日本の挑戦:二国間クレジット制度(JCM)

日本には「JCM(二国間クレジット制度)」という独自の仕組みがあります。これは、日本企業が海外で省エネや再エネのプロジェクトを行い、その削減量を日本と相手国で分け合う制度です。 たとえば、インドネシアの工場に日本の省エネ型ボイラーを導入すれば、インドネシアのCO₂排出は減ります。そして、その成果を日本側もその一部を削減実績として活用できます。もちろん省エネや再エネといった技術の輸出だけではなく、前回のコラムで記載したような、水田のメタンを削減するようなエコな農業の指導や定着化も立派な貢献です。こうしたプロジェクトは、日本の技術力を活かすだけでなく、日本の技術の輸出にもつながり、さらには、途上国の発展も助ける「ウィンウィン」の関係を生み出します。

産業界の挑戦と限界

CO₂排出が多い産業、例えば鉄鋼業やセメント産業は、今「抜本的な技術革新」に挑戦しています。水素を使って鉄をつくる「水素製鉄」や、セメントにCO₂を閉じ込める技術が研究されているのです。こうした取り組みが実現すれば、従来は「減らせない」と言われた分野でもクレジットを生み出せるようになります。 もちろん課題もあります。設備投資に大きなお金がかかり、短期的には企業の負担が重くなります。また、技術の普及には時間もかかります。それでも世界中の企業が挑戦しているのは、「環境に優しい会社でなければ生き残れない」時代になっているからです。

環境投資は未来投資

省エネや再エネへの投資は「環境のため」だけでなく、実は「未来のための経済戦略」でもあります。効率が上がればコスト削減につながり、国際的に競争力を持てる企業になれます。その証拠に、環境分野の技術を持つ企業は世界市場で高い評価を受け、株価も上がる傾向があります。 つまり、身近な技術から生まれるクレジットは「環境対策」であると同時に「未来への投資」なのです。

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