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【カーボンクレジットを学ぼう】第4章-3 これからのルールと課題 ー“信用の貯金”をどう増やす?

第4章-3:これからのルールと課題 ― “信用の貯金”をどう増やす?
ルールが整うほど、次に大事になるのは「信用」です。
カーボンクレジットは、結局のところ “信用で成り立つ仕組み” です。信用が増えれば市場は広がり、信用が崩れれば一気に縮みます。
中高生向けにたとえるなら、クレジットの世界は “信用の貯金” に似ています。毎回きちんと説明して約束を守る人はますます信用されるようになり、適当にやったり嘘をつく人は一気に信用を失う。国や国際的な制度もまったく同じです。
1) 信頼性(インテグリティ)をどう上げるか
世界では「このクレジットは本当に効いている?」という視点が強まっています。
ここで重要になるのが、次の3つです。
- 測定の正確さ(1トンのクレジットが本当に1トンの削減に貢献しているか)
- ダブルカウントの防止(1トンのクレジットが複数の人に売られていないか)
- 追加性の確認(カーボンクレジットの制度が無くても、どっちみち削減活動が行われたのではないか)
一つ一つの概念は、カーボンクレジットの世界では非常に重要なので、5章であらためて説明したいと思います。
2) 公平性:途上国・地域・小規模事業者が置いていかれないか
国際的には、途上国が「ただのクレジット供給地」になってしまう危険があります。石油や金などの資源開発において、一部の発展途上国では、資源だけ先進国にもっていかれ、一握りの人を除き、現地の人々の暮らしは改善されないようなことが起こっていますよね。これと同じことがカーボンクレジットの世界で起こってはいけません。
また国内でも、中小企業や小さな自治体が制度を使えず、大企業ばかりが得をする構図になりかねません。
これを防ぐには、
- 収益の現地還元
- 小規模プロジェクトを束ねる仕組み
- 仕組みの透明性を保ち、また手続きの簡素化を実現するデジタル技術の導入
が必要になります。
3) 市場の健全性:投機よりも“本来の目的”を守れるか
クレジットの価格が上がると、注目されます。
でも価格が注目されすぎると、「地球を守る仕組み」が「儲ける仕組み」に見えてしまうことがあります。
これは第9章で扱う“批判”ともつながります。
だからこそ、
- 透明性(見える化)
- 説明責任(カーボンクレジットの資金が何に使われたか)
- 償却(使用したクレジットがダブルカウントされないための手続き)
が重要になります。
4) 中高生が関わる未来:学校・イベント・就職が変わる
これからの社会では、
- 国の経済政策と環境政策が融合されていく
- 企業の「環境戦略」が企業評価になる
- 国や企業の求めに応じて、大学や高校での学問や授業・試験で、環境に関する割合が増える
という流れが強まります。
つまり、ルールは“国の話”だけではなく、みなさんの生活へ降りてきます。
だから今のうちに「仕組みを理解しておく」ことは、未来の社会で“使いこなす側”になるための準備になります。
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