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【カーボンクレジットを学ぼう】第1章カーボンクレジットってなんだろう?

第1章ー1:CO₂ってそもそも何?
「二酸化炭素(CO₂)」という言葉は、ニュースや授業でよく耳にします。「地球温暖化の原因」「悪いガス」といったイメージを持っている人も多いでしょう。でも、実はCO₂はもともと地球にとって欠かせない存在で、すべてが悪いわけではありません。ここでは、CO₂とは何か、なぜ問題になっているのかを、身近なたとえを使って説明します。
CO₂はもともと自然にある気体
私たち人間は呼吸をするときに酸素を吸い込み、吐くときにCO₂を出しています。動物も同じです。
植物は逆にCO₂を吸い、酸素を出しています。また、火山が噴火するときにもCO₂が放出されますし、海にも大量のCO₂が溶け込んでいます。
つまりCO₂は、自然の循環の中で常に存在している、ごく普通の気体なのです。
さらに、皆さんが飲む炭酸ジュースのシュワシュワは、まさにCO₂です。私たちの生活はCO₂と切り離せないものなのです。
地球の毛布「温室効果」
では、なぜCO₂が地球に必要なのでしょうか。その答えは「温室効果」にあります。
地球は太陽から光と熱を受け取っていますが、そのままだと夜には熱が宇宙に逃げてしまい、地表は凍りついてしまいます。
ここで働くのが「温室効果ガス」です。
CO₂をはじめとするガスが、地球を薄い毛布のように包み込み、熱を閉じ込めるのです。
もしこの毛布がなければ、地球の平均気温はマイナス18℃くらいまで下がると言われています。
今のように動植物や人間が暮らせる環境は存在しなかったでしょう。
つまりCO₂は、地球を適温に保つ大切な仕組みの一部なのです。
問題は「増えすぎ」
ところが、人間の活動によって、この毛布がどんどん分厚くなってしまいました。
18世紀の産業革命以降、人類は石炭や石油といった化石燃料を大量に使うようになり、工場や車、発電所から大量のCO₂が出るようになりました。
結果として、CO₂の濃度は産業革命前に比べて約1.5倍にまで増加しました。
毛布が厚すぎるとどうなるでしょう?想像してみてください。真夏に羽毛布団をかぶって寝ているようなものです。
体に熱がこもり、息苦しくなります。これと同じ現象が地球で起きています。これが「地球温暖化」です。
地球温暖化がもたらす影響
「ちょっと暑くなるだけならいいじゃない?」と思うかもしれません。
でも問題は気温が少し上がるだけでなく、それによって地球全体のバランスが崩れてしまうことです。
北極や南極の氷が溶ける:その結果、海面が上昇し、島国や沿岸部の街が浸水の危機にさらされます。
異常気象の増加:日本でも近年は豪雨や猛暑日が頻発しています。世界では山火事や干ばつが深刻化しています。
食料への影響:農作物が育ちにくくなり、食料不足や価格上昇につながります。
つまり温暖化は、単に「暑い」問題ではなく、人々の暮らしや命に直結する大問題なのです。
CO₂は悪者ではなく「使い方次第」
ここまで聞くと、「やっぱりCO₂は悪者だ」と思うかもしれません。
しかし本当は、CO₂は悪ではなく「量が増えすぎている」ことが問題なのです。
毛布は必要だけれど、厚すぎれば困る。それと同じで、CO₂は適度なら必要不可欠ですが、増えすぎれば危険になるのです。
だから「減らす工夫」が必要
今、世界中の国や企業、人々が「どうやってCO₂を減らすか」を考えています。
省エネや再生可能エネルギーの導入、電気自動車の普及、森林保護など、その方法はたくさんあります。
しかし、例えば、現在の真夏の酷暑を健康に乗り切るには適切にエアコンを使わなくてはなりません。
その電気が全て再生可能エネルギーから出来ていれば、良いのですが、残念ながら今すぐにその状態にするのは不可能です。
夏のエアコンは一例ですが、現在の文明的な生活を維持するには、どうしても化石燃料に頼らなくてはいけない分野がたくさんあり、削減努力をしても「どうしてもゼロにはできない部分」が残ってしまいます。
そこで登場するのが「カーボンクレジット」という考え方です。
CO₂を減らしたり吸収したりした努力を「証明書」にして、環境にもっと貢献したい人や、それを必要とする企業が利用できる仕組みです。
つまり「CO₂は悪者」ではなく、「コントロールが大事」だということ。
そしてそのコントロールの方法のひとつが、カーボンクレジットなのです。
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